Ensemble sans-limite

現代音楽アンサンブル“Ensemble sans-limite”

Profile

“Ensemble sans-limite”(アンサンブル・サン・リミテ)は小野貴史(作曲・ディレクター),藤原亜美(pf),愛甲雅美(sop),西村正秀(guit),篠崎 智(perc),をメンバーとして,2001年に結成された。

“sans limite”とは「境界のない」という意味であり,現代の音楽シーンにおいて,ライン引きをしないことをテーマに,作曲家とのコラボレーョンによって,芸術創作プロセスの初期段階から演奏家が参画可能なユニットであることをコンセプトに掲げて活動している。

さて,本アンサンブルの目的は,我が国で取り上げられる機会の少ない作品に焦点をあて,広く紹介することであり,演奏会の企画/プログラミング自体にもこのアンサンブルならではのオリジナリティーを発揮することにある。また,上記メンバーをコアとして,様々な形態のアンサンブルに拡張可能なユニットというのも特徴のひとつである。さらに,同時代の作曲家との共同作業によって,新作委嘱も含め,すぐれた作品を生み出す役割を担うことも目標である。

2002年より毎年夏に定期演奏会を開催。2003年度からフルートの鈴木千代,2004年からサウンド・エンジニア兼エレクトリック・ベース兼作曲の山本凡人,2010年からサックスの沼田美和子及び専任指揮者として井田勝大,2012年より打楽器の円谷耕平がメンバーとして加わる。

小野貴史 Takashi ONO : Composition / Director

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藤原亜美  Ami FUJIWARAPiano

 札幌出身。東京芸術大学附属高校,東京芸術大学を経て,パリ国立高等音楽院を審査員満場一致の1等賞で卒業。1998年フランスで行われた第3回オルレアン20世紀音楽国際ピアノコンクールで第1位受賞。テオドール・パラスキヴェスコ,神野明,ダリア・ホヴォラ,ジャン・ケルネール,堀江孝子の各氏に師事。パリをはじめフランス各地でピアノリサイタル,また伴奏者としてコンサートを開く。フランス国営放送ラジオ・フランスの音楽番組でも,ピアノソロ,伴奏において収録,放送された。1998年に帰国し札幌にてリサイタル,翌年日本演奏家連盟主催のリサイタルを東京にて開催,以後東京,札幌他毎年各地で定期的にリサイタルを開いている。ソロ活動のみならず,伴奏・室内楽の演奏にも積極的に参加し,数多くの新作初演を手がけてきた。また,ソリストとしても札幌交響楽団,東京交響楽団と共演。東京音楽大学,日本大学芸術学部各非常勤講師。ソロCDとして,『エチュードの妙技…20世紀の作曲家たちによる』,『モシュコフスキ・ピアノ作品集Ⅰ・Ⅱ』,『ポーランド現代ピアノ作品集』,『エネスコ&リパッティ作品集』,『ドビュッシー前奏曲集第1巻&ベルガマスク組曲』,『アンドレ・ジョリヴェ・ピアノ作品集』をレグルスレーベルから,メシアンの『アーメンの幻影』(長尾洋史とのデュオ)をALMからリリース。Fontecからリリースされたジュリアン・ユーの『青少年のための作曲法入門-〈きらきら星〉の主題によるピアノのための変奏曲』で2011年第49回レコードアカデミー賞受賞。東京シンフォニエッタ,Ensemble sans-limiteメンバー。

藤原亜美ウェブサイト

篠崎 智  Satoru SHINOZAKIPercussion

 1973年富山県生まれ。6才よりピアノを,中学生の頃より打楽器を演奏し始める。東京学芸大学教育学部音楽科打楽器専修卒業。打楽器を塚田靖,マリンバを安倍圭子に師事。在学中より同時代作品に積極的に取り組み,2002年には愛甲雅美とのデュオ(Duo Sacre)でトッパンホール主催デビューコンサートオーディション合格,同ホールにてリサイタルを開く。Ensemble sans-limiteメンバー。また,東京家政大学講師,立教新座高等学校吹奏楽部トレーナーとして後進の指導にあたっている。

鈴木千代 Chiyo SuzukiFlute

 都立芸術高校を経て,東京芸術大学音楽学部器楽科卒業。阪田典子,立川和男,金昌国の各氏に師事。日本フルート協会主催デビューリサイタル,ジョイントコンサート等に出演。「千の会」演奏会にてライネッケのフルート協奏曲をオーケストラと共演。多摩六都フレッシュコンサートのオーディションに,フルートとピアノのデュオ(第4回,第6回),フルート独奏(第5回)で合格,合格者演奏会に出演。第10回同コンサートに,過去の合格者の中から第10回記念特別演奏者として選ばれ出演。ピアノの笹有理子氏とのデュオ“aMuse”及びフルートの野原千代氏とのユニット“chiyochiyo”で定期的にコンサートを開催。Ensemble sans-limiteメンバーとして同時代作品の演奏も積極的に手がけている。

山本凡人 Bonto YAMAMOTO:Sound engineer / Electric bass / Composition

 1966年生まれ。本名:山本理人。東京学芸大学大学院修士課程作曲専攻修了。作曲を大槻寛,住谷智,吉崎清富の各氏に師事。「電子メディア」(プログラミングと録音素材,リアルタイムエフェクト等がミックスされた総合体)とアコースティック楽器との融合を生涯の課題としているが,近年はアコースティック楽器のみによる作品も多数手がけている。作曲家集団「向こう側への旅」創立メンバー。作曲家としてEnsemble sans-limiteに作品を提供するほか,エレクトリック・ベーシストとしてEnsemble sans-limite としばしば共演。同サンサンブルのサウンドエンジニアとしても活躍している。また,小野貴史とのエレクトロアコースティック・ユニット“Electroacoustic hour”を結成,2010年から3年連続して松代現代美術フェスティヴァルで招待作家としてライヴ・パフォーマンスを行ない現代美術界で注目を集める。近年はデジタルコンテンツ音響化システム“Visus Sonitus”を開発し,より活動の幅を広げている。

井田勝大 Katsuhiro IDA:Conductor / Trumpet

 東京学芸大学音楽科卒業,同大学院修了。2003年から来日オペラ団体日本公演の制作助手を務め,ミラノ・スカラ座,ウィーン国立歌劇場,バイエルン国立歌劇場,東京のオペラの森などで,小澤征爾,ズービン・メータなどのアシスタントを務める。2004年には江戸開府400年記念東京文化会館事業「あさくさ天使」に副指揮者として参加。2006年東京バレエ団「ドナウの娘」日本初演にあたっては指揮者アシスタントとして楽譜の修正を含め大きな役割を果たした。これまでに東京フィルハーモニー交響楽団や大阪センチュリー交響楽団,東京シティフィルハーモニック管弦楽団などを指揮。2007年からは熊川哲也率いるK-Ballet Companyの指揮者として活動し,2009年にはキング・レコードよりチャイコフスキーの『くるみ割り人形』を指揮したCDがリリースされた。2013年には新国立劇場におけるアダンの『ジゼル』公演で東京交響楽団を指揮し高い評価を得る。トランペットを田宮堅二,田中昭,山城宏樹各氏に,指揮法を山本訓久,高階正光各氏に師事。現在シアター・オーケストラ・トーキョー及びEnsemble sans-limite指揮者。エリザベト音楽大学非常勤講師,桐明学園大学特任講師。

沼田美和子 NUMATA Miwako:Saxophpne

 国立音楽大学音楽学部器楽学科サクソフォーン専攻卒業。サクソフォーンを石渡悠史,下地啓二の各氏に師事。現在に至るまで様々なジャンルでの演奏活動を行っており,現代音楽の演奏にも積極的に取り組んでいる。Ensemble sans-limite に2010年度定期公演から参加。宮地楽器サックス科講師。

圓谷耕平 TSUBURAYA Kohei :Percussion
 1977年生まれ。中学入学時に打楽器を始める。東京学芸大学教育学部音楽科打楽器専修卒業。打楽器を塚田靖,マリンバを船木理恵に師事。様々なジャンルでの演奏活動を広げている。2009年にEnsemble sans-limite multiple公演で共演し,2012年定期演奏会よりメンバーとして参加。現在,桐朋中・高等学校音楽講師。

横山和也 YOKOYAMA Kazuya :Composer

 作曲家,編曲家,ピアニスト。東京学芸大学卒業,同大学院修了。作曲を松本清,山内雅弘,金田潮兒の各氏に,ピアノを石川直美,岡野宏映,椎野伸一の各氏に師事。日本作曲家協議会会員。2011年日本音楽コンクール作曲部門入選,2012年奏楽堂日本歌曲コンクール作曲部門一般の部第3位,他入選・入賞多数。これまでに,ヴィオラとクラリネットのための『粘度の高い音楽』(2014年),『伯耆町立溝口小学校校歌』(16年),混声合唱のための『野原のポプラ』(17年)などが初演されている。また,ピアニストとして様々なオーケストラと共演するなど演奏活動も精力的に行う。編曲家としても多くの事業に携わっており,特に熊川哲也氏率いるK-Ballet Companyにおいて「カルメン」「トムソーヤの冒険」「クレオパトラ」のオーケストラ編曲を担当し好評を博した。